[発表]「自然談話が切り拓く言語研究」@日本語学会のワークショップ

2013年6月1日〜2日、大阪大学での日本語学会のワークショップ企画で発表してきました。これは国立国語研究所の木部暢子先生が「テキストを使った方言研究から見えてくること-危機方言の調査と記述」という題で取りまとめてくださったものです。

私は、「自然談話が切り拓く言語研究」というタイトルで、自然談話資料を基盤とすることで文法記述・文法研究がどのように拡大発展させられるのかについて話しました。その概要は以下の通りです:

従来の文法記述・研究においても、もちろん談話データが使われてはきましたが、その必要性はあくまで語用論的なパターンなど、文を越えた領域の研究に限られると考えられてきました。そうした考え方のもとでは、談話は文法の中核部分(語や文レベルの構成パターン)には関係ないとされてきました。
しかし、談話、より広くは自然な言語使用の実際の中に見られるパターンをみてみると、従来の形態統語理論から想定されているのとは違う規則性や体系性も見えてきます。さらに今ある文法がなぜそのような形をしているのかを理解する重要な手がかりを与えてくれます。また、自然談話の記述は、言語コミュニケーションのあり方の包括的な記録への貢献ともなります。

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