Bock, Kathryn, Gary S. Dell, Franklin Chang, and Kristine H. Onishi. 2007.
“Persistent structural priming from language comprehension to language production.”
Cognition 104: 437-458.
[2014.2.10 院ゼミで議論]
【概要】
聞いた文の構造がその後で使う文構造の選択に影響を与えるか(例えば、受け身文を聞いた後には受け身構文を使った表現をしやすくなるか)という問いに関する実験の追実験。
【要点】
この研究の要点は、聞くという形で得た刺激が話すという別の感覚領域での活動を形づけることがあるかという点。聞いた文の構文から発話文の構文へのプライミングが確認できれば、聞いて理解するときに使っている構文知識と話すときに動員する構文知識は同一のものであると考えやすくなる。
論文ではプライミングは存在することが確認されたと結論づける。
【感想】
内容的には非常に興味をそそられるが、論文としては専門外の人間には非常に読みにくく、議論の流れも理解しにくかった。したがって、説得力のある結論なのかも確信が持てず、残念。